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「40代からの男性に多い“前立腺肥大症”とは?」|世田谷区の腎・泌尿器科|東急大井町線上野毛駅近くの上野毛腎・泌尿器科クリニック(仮称)

「40代からの男性に多い“前立腺肥大症”とは?」|世田谷区の腎・泌尿器科|東急大井町線上野毛駅近くの上野毛腎・泌尿器科クリニック(仮称)

「40代からの男性に多い“前立腺肥大症”とは?」

目次

こんにちは。

今回は、40代以降の男性に増えてくる「前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)」についてお話しします。

「最近トイレが近い」「尿の勢いが弱くなった」と感じていても、「年のせいかな」とそのままにしてしまっていませんか?
実はそれ、前立腺肥大症という病気のサインかもしれません。

前立腺とは?どんな病気?

前立腺は男性にだけある臓器で、膀胱の下、尿道を取り囲むように存在しています。
この前立腺が年齢とともに大きくなっていくことで、尿の通り道である尿道が圧迫され、排尿しづらくなる状態を「前立腺肥大症」と呼びます。

前立腺肥大症は良性の病気ですが、放っておくと日常生活に支障をきたすこともあり、症状が強くなると残尿や腎機能への影響が出ることもあります。

どんな症状が出るの?

前立腺肥大症の症状は、大きく分けて3つのタイプがあります。

1. 排尿に関する症状(排出症状)

  • 尿の勢いが弱い
  • 出始めに時間がかかる
  • 尿が途中で途切れる
  • 排尿後もすっきりしない(残尿感)

2. 尿をためる症状(蓄尿症状)

  • 昼夜問わずトイレが近い(頻尿)
  • 急に強い尿意を感じる(尿意切迫感)
  • トイレに間に合わないことがある(尿漏れ)

3. 排尿後の症状

  • 尿がポタポタと漏れる(尿滴下)
  • 排尿後にもまだ尿が残っている感じがする

これらの症状が複数当てはまるようであれば、一度泌尿器科での相談をおすすめします。

IPSSスコアで重症度をチェック

前立腺肥大症では、自覚症状を数値化するために「IPSS(国際前立腺症状スコア)」という質問票を使います。

7つの質問(排尿に関する自覚症状)と生活の困り具合について自己評価していただき、合計点で重症度を分類します。

初診時にIPSSスコアを使うことで、ご自身の症状の傾向を把握しやすくなります。

合計点 症状の重さ
0〜7点 軽度
8〜19点 中等度
20〜35点 高度

検査は痛くない?どんな内容?

検査では、次のような項目を行うことが多いです。

  • 問診(症状・IPSSスコア)
  • 超音波検査(前立腺の大きさ・残尿量の評価)
  • 尿流測定(排尿の勢いや量を確認)
  • PSA検査(前立腺がんとの区別のための血液検査)

必要に応じて直腸診(肛門からの触診)も行うことがありますが、数秒で終わる検査です。

治療法は?薬から手術まで

治療は症状の程度や患者さんの希望に応じて段階的に行います。

薬物療法(初期段階)

  • α1遮断薬: 尿道の筋肉をゆるめ、排尿をスムーズに
  • 5α還元酵素阻害薬: 前立腺を縮小させる
  • PDE5阻害薬: 血流を改善し排尿にも効果あり

手術療法(重症または薬が効かない場合)

  • 経尿道的前立腺切除術(TURP)
  • 水蒸気治療(Rezum™)
  • 前立腺吊り上げ術(UroLift)など

近年は体にやさしい低侵襲の選択肢も増えてきています。

最後に ~我慢せず、気軽に相談を

「前立腺肥大症」は、40代以降の男性の多くに見られる、決して珍しくない病気です。

「恥ずかしい」「まだ大丈夫」と思って受診が遅れる方も多いですが、適切な治療によって生活の質が大きく改善することもあります。

当院では、患者さん一人ひとりの症状に合わせた診療を心がけ、安心してご相談いただけるよう努めています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。