過活動膀胱とは?:頻尿・尿意切迫感でお悩みの方へ
- 2025/06/21
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過活動膀胱:頻尿・尿意切迫感でお悩みの方へ
目次
こんにちは。今回は「過活動膀胱(OAB)」について、頻尿・尿意切迫感に悩む方に向けてわかりやすく解説します。最近、トイレの回数が増えた、急に尿が我慢できないことがある…そんな悩みがあれば、ぜひお読みください。
過活動膀胱とは何か?
過活動膀胱(OAB)とは、「急に強い尿意を感じて我慢しづらくなる」尿意切迫感を主症状とする病気です。頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁などを伴うこともあります。膀胱が過敏に反応し、少量の尿でも収縮してしまう状態です。
典型的な症状は?
- 日中や夜間の頻繁なトイレ(1日8回以上)
- 急に強い尿意が来て我慢できない
- 我慢できず漏れてしまう(切迫性尿失禁)
これらの症状が日常生活や睡眠に支障をきたす場合、放っておかず泌尿器科受診をおすすめします。
どれくらいの人が悩んでいる?
日本では40歳以上の男女で約14%(1000万人)が過活動膀胱に罹患しているとされ、70歳以上では4人に1人が症状を抱える報告もあります。実際には、症状があっても「恥ずかしい」と受診に至らず、医師との認識ギャップも懸念されています。
どうやって診断されるの?
診断は、以下を組み合わせて行います:
- 問診(症状の頻度・夜間頻尿など)
- 排尿日誌で頻尿回数や尿量を把握
- 尿検査で感染や結石の除外(他疾患除外が前提)
- 必要に応じて超音波検査・尿流測定など
他の疾患との区別が非常に重要です。
最新の治療法とは?
2025年現在のガイドラインでは、行動療法や生活習慣の改善を第一選択とし、それでも改善しない場合に薬物療法を追加するステップ治療が推奨されています。
行動療法・生活療法
- 膀胱トレーニング(排尿間隔を徐々に延ばす)
- 骨盤底筋体操(ケーゲル運動)
- 水分摂取コントロール、カフェイン・刺激物の制限
- 肥満・便秘・長時間座位の改善
薬物療法
β3アドレナリン受容体作動薬は、副作用が少なく高齢者にも適しています。
抗コリン薬も有効ですが、口渇や便秘、認知機能への影響に注意が必要です。
難治性ケースへの対応
- ボツリヌス毒素膀胱内注入療法(ボトックス療法)
- 仙骨神経刺激療法(神経調節療法)
生活習慣でできる対策
- カフェインフリーの飲み物を選ぶ
- 低酸性果物、豆類、全粒穀物を積極的に摂る
- 夜間の水分摂取を控える
最後に
過活動膀胱は「年のせい」と我慢されがちですが、生活の質(QOL)を大きく左右する症状です。初期の段階では行動療法で改善することも多く、薬や新しい治療法も増えてきています。
当院では、患者さん一人ひとりの症状やライフスタイルに応じた治療を丁寧にご提案いたします。「頻尿」「急な尿意」でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
8. 排尿症状簡易チェックシート (OABSS)
以下のチェックシートは、ご自身の排尿症状の程度を把握するためのものです。受診の際にご活用ください。
質問 | 0点
(なし) |
1点
(週1回未満) |
2点
(週1回以上) |
3点
(1日1回以上) |
4点
(1日2~4回) |
5点
(1日5回以上) |
---|---|---|---|---|---|---|
1. 日中、トイレが近いと感じることがありますか? | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
2. 夜間、排尿のために起きることがありますか? | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
3. 急に我慢できないような強い尿意を感じることがありますか? | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
4. 我慢できない尿意のために、尿が漏れてしまうことがありますか? | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
合計スコアによる重症度判定
軽症: 5点以下
中等症: 6~11点
重症: 12点以上