前立腺肥大症と前立腺がんの違い
- 2025/12/20
- 医療コラム
前立腺肥大症と前立腺がんの違い
「前立腺肥大症と前立腺がんって、どう違うの?」
「排尿の調子が悪いけど、がんだったらどうしよう…」
50歳を過ぎた男性から、こうした不安の声をよく聞きます。
どちらも前立腺の病気ですが、原因・性質・治療方針は大きく異なります。
この記事では、前立腺肥大症と前立腺がんの違いを、できるだけわかりやすく解説します。
目次
前立腺とはどんな臓器?
前立腺は男性にのみある臓器で、膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲んでいます。
精液の一部を作る役割があり、年齢とともに大きくなりやすい特徴があります。
この前立腺に起こる代表的な病気が、前立腺肥大症と前立腺がんです。
前立腺肥大症と前立腺がんの違い【比較表】
| 項目 | 前立腺肥大症 | 前立腺がん |
|---|---|---|
| 病気の性質 | 良性(がんではない) | 悪性腫瘍(がん) |
| 発症年齢 | 50歳以降に多い | 60歳以降で増加 |
| 進行の速さ | ゆっくり進行 | 比較的ゆっくりだが個人差あり |
| 主な症状 | 排尿の勢い低下、頻尿、残尿感 | 初期は無症状が多い |
| PSA値 | 上昇することがある | 上昇することが多い |
| 治療法 | 薬物療法が中心 | 経過観察・手術・放射線など |
重要なのは、「症状だけでは区別できない」という点です。
症状の違いはある?
前立腺肥大症では、次のような排尿トラブルが目立ちます。
- 尿の勢いが弱い
- トイレに時間がかかる
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 尿が残っている感じがする
一方、前立腺がんは初期にはほとんど症状がありません。
排尿症状が出る頃には、進行しているケースもあります。
PSA検査はどちらでも上がる?
PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺の異常を調べる血液検査です。
PSA値は、
- 前立腺がん
- 前立腺肥大症
- 前立腺炎
いずれでも上昇する可能性があります。
そのため、PSAが高い=すぐにがん、というわけではありません。
ただし、PSA高値を放置すると、前立腺がんの発見が遅れることもあるため、泌尿器科での精密検査が重要です。
どんなときに受診すべき?
次のような場合は、早めに泌尿器科を受診しましょう。
- 排尿トラブルが続いている
- PSAが基準値より高いと言われた
- 50歳以上で一度も前立腺検査を受けたことがない
- 家族に前立腺がんの既往がある
「年のせいかな」と思っている症状の中に、病気が隠れていることもあります。
まとめ
前立腺肥大症と前立腺がんは、同じ前立腺の病気でも性質は大きく異なります。
症状だけで見分けることは難しく、PSA検査や専門的な評価が重要です。
50歳を過ぎたら、排尿症状の有無に関わらず、一度は前立腺のチェックを受けることをおすすめします。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。